2010年2月 9日
映画『インビクタス 負けざる者たち』

イーストウッドの最新作『インビクタス 負けざる者たち』を鑑賞。
わずかに十数年前の実話の映画化なのでネタばれって事もないと思うが、ここ数年のイーストウッド映画としては珍しく晴れ晴れした気分で終わる作品だ。
作品はラグビーを中心に物語が展開していくので、一見すると「スクールウォーズ」や「タイタンズを忘れない」(「タイタンズを〜」はラグビーじゃなくてアメフトだけど)的なスポーツ映画を想像させるが、いわゆるスポーツ映画として撮ってないのが、イーストウッドの素晴らしいところ。そういう意味じゃ「ミリオンダラー・ベイビー」のボクシングと同程度の扱いに留めているが、だからと言ってアパルトヘイト問題など南ア問題に大きくウェイトを置いている訳でもなく、そこはいつものイーストウッドらしい視点で一個の人間を淡々と描いているので素直な気持ちでスクリーンを眺めていられたし、これまで、あまり好きでは無かったマット・デイモンも素晴らしい役作りと演技ですっかり見直してしまった。
が、やはりなんといってもモーガン・フリーマンに尽きる。
聞くところによると、以前ネルソン・マンデラが自伝を発表した折に「もし、貴方を演じてもらうとしたら誰がいいですか?」との質問にマンデラは「モーガン・フリーマン」と答えたらしい。
ストーリーの後半、モーガン・フリーマン扮するネルソン・マンデラ大統領がラグビー・ワールドカップ決勝戦試合前にスタジアムに入場するシーンがあるが、私はその時のモーガン・フリーマンがマンデラ本人に見えてしまった。「このカットだけ実はマンデラ本人がマンデラを演じて入場してるのか?」と、一瞬混乱してしまうくらいにマンデラそのもの。もちろん、私の見たのは錯覚で、マンデラ本人ではないのだが、今まで、映画を観ててあんな錯覚を起こしたのは初めてなので自分でも驚いてしまった。
事実とは言え、出来過ぎな結末だし、前作、前々作が傑作なので、ともすると少し軽い印象を持つかもしれないが、この『インビクタス 負けざる者たち』も文句ない傑作だと思う。
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- by Phantom
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