2010年2月28日

ついつい...クロサワ

一個人
特に目新しい事が書いてある訳でもないので、何も得る事はないのだが、ついつい見出しに"クロサワ"とあり、【保存版特集】となると、無視できないんだよなぁ...まぁ、これは何もクロサワに限った事ではないが、一般誌の見出しで「オズ」や「ミゾグチ」なんてまずありえない事だから。

一個人02

都築政昭氏が全作品記事の解説と監修をしているのでガセネタや間違いは無いし、野上照代氏の証言エピソードのほか、出目監督、山崎努氏のスタッフ&キャストのインタビュー、黒澤和子氏のインタビュー、直筆の絵コンテ、ロケ地案内、黒澤明の出自や年表や、晩年の黒澤が常宿とした事でも有名な京の宿「石原」はじめ幾つかの旅館を紹介しており、生誕100周年にふさわしく力の入った企画になっていてビギナー向け特集としては中々、読み応えあるんじゃないかな。

一個人03

個人的には久々に香川さんのインタビュー記事等の扱いが大きかったのが主な購入動機だけどね(笑)

2009年12月31日

大系黒澤明/浜野保樹 編

大系黒澤明
とりあえず、第二巻が出たので購入、早速読み始めているので年始には読破の予定。
これまでの黒澤明の随筆や対談、座談会、等々、メディアで取り上げられた言葉や作品資料などをまとめた本でこれまで幾冊もの黒澤関連本を読んできたファンにとってもとても貴重になるだろうな。一冊の価格がなかなか高い上に全四巻の予定だから少なくとも、あと二冊は購入しなければならないが...
大系黒澤明その2
読み始めたばかりの第二巻で、これまでに知らなかった話し(例えば、映画「赤ひげ」のまさえ役は最終的には内藤洋子になったわけだけど、最終選考には酒井和歌子も残っていた。)等々、まだまだ知らなかった裏話が知れるので嬉しい。

編者、浜野保樹氏の著書はこの「大系黒澤明」以前にも「偽りの民主主義」も読んでいるが、こちらも取材と資料調べが詳細にされているし、考察も素晴らしい本なので読み応えあり。

2009年7月 1日

木暮実千代『知られざるその素顔』

木暮実千代 知られざるその素顔
以前に一度読書済みだったがやっぱり購入。
この本は木暮実千代の甥である黒川鍾信氏が実績と人気に比べ、まともに語られている本や伝記が殆んどないのはおかしいという事で、彼女の波乱な人生を書き記している本で中々の読み応え。

個人的には彼女のエピソードとしてとても興味深いエピソードは、黒川氏自身の気持ちとして、身内として接している普段の色気とは程遠いざっくばらんで男っぽい性格とイロケのイの字も感じさせないゴッツイ手をした伯母とスクリーンの中では色っぽい色香を発散させる女優木暮実千代がどうしても同一人物とは思えなかったという話や、「台本に書いてある字を暗記するだけでしょ」と苦にしなかった台詞覚えや、上原謙との仲を誤解され小津の「お茶漬けの味」で共演した上原謙の妻の小桜葉子に嫌がらせをされ撮影中に不調に陥ってしまい、そのせいで小津組での評判を落としてしまった話などなど、中々面白いというか興味深い話がいっぱい。

それにしても艶っぽい女優って今は全然いないな、プロポーションだけは無駄に良いの多いけど。

2008年4月27日

香川京子×周防正行トークショー&サイン会

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青山ブックセンター本店で行われた『愛すればこそ』(毎日新聞社)刊行記念香川京子×周防正行トークショー&サイン会 「女優の眼、監督の眼」に行ってきた。

もう殆んど、かぶりつきの様な状態で観る事が出来て本当に感動的というか感激だ。なんせ黒澤明、溝口健二、小津安二郎、清水宏、成瀬巳喜男、と挙げればキリがない程の日本映画界屈指の巨匠達の作品に数多く出演し、そのどれもが傑作揃い。今なおも最新作の公開を秋に控えている第一線の映画女優の貴重な経験話を真近で拝聴出来るワケだから感動しないワケがない。「東京物語」の京子ちゃんが、「山椒大夫」の安寿が、そして「どん底」のおかよ坊がそこにいるのだからね。

周防正行氏も監督としての立場から現在の映画製作現場と昔の撮影所システム全盛期や演出方法の違いについて語っておられ香川さんとの丁寧なやり取りが繰り広げられた、あっという間の1時間半。

最後はシッカリとサインもして頂いて大満足な土曜の夜だった。

スケジュールの都合がつけば新文芸坐でのトークショーにも行きたいなぁ。

2008年1月16日

古雑誌・アサヒグラフ増刊

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神保町の矢口書店で購入したアサヒグラフの増刊「追悼・三船敏郎」と「追悼・黒澤明」それと都築政昭著「天国と地獄 ドキュメント・憤怒のサスペンス」

アサヒグラフの方は発売当時に買いそびれたまま存在自体を忘れ去っていたものだけに、発見した時にもの凄くテンションが上がってしまい即購入。「追悼・三船敏郎」、「追悼・黒澤明」共にスチール写真やスナップ写真が充実していてファンには嬉しい内容になってる上に「追悼・三船~」の方では香川京子さんによる追悼記事が載っていてさらに大満足な買い物となった。

都築政昭著「天国と地獄 ドキュメント・憤怒のサスペンス」もやはりいつか「読まねば…」と思っていたところだったので合わせて購入。あの有名な特急こだまでの“身代金受け渡し”撮影が、全車両貸切の一発撮りだったためスタッフ・キャスト共に異常なテンションの雰囲気だった…などなど詳細に書かれて制作現場の熱気が伝わってくる。昔、この撮影で使った吉田カバン特注による身代金を入れたカバン小道具を拝見した事があるけど、その事も思い出しながら読んでいるとちょっと感動的な気分。

2007年8月25日

生命と現実-木村敏との対話-

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マルティン・ハイデガーなどドイツ哲学をまったく読んでない私などには正直、チンプンカンプンな会話ばかりだし、殆んどが臨床現場における分裂病の考察に頁数を費やしているので、私の解き明かしたい疑問についての答えを読み見付ける事が本書からは出来なかったが、精神医学と哲学的思想、西洋・東洋哲学の差異などを交えつつ“集団としての主体”とか“個が種を含む”“自己と時間”など木村敏氏の哲学的な思考から臨床心理学との関わり方を突き詰めているテーマは中々面白かった。
精神医学を志すインターンなどが読んだらとても啓発される本なのではないかな。

2007年5月30日

歴史読本でも…

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昔はよく読んでいた新人物往来社の歴史読本。最近は本屋に行っても滅多に手に取る事がなくなっていたが、フッと別冊歴史読本『華族歴史大事典』の文字が眼に飛び込んできたので、手に取りパラパラと中身をめくって、「たまにはいいか…」となんとなく購入。
さっそく暇な時に読み始めてみると中々面白い。華族についての基礎知識が細かく丁寧に書いてあり今更ながら「ああ、なるほど、そういう事なのか~」と言う様な素朴な疑問について解説してあるし、華族の事件簿なる章もあって、数々の醜聞に塗れたお話も紹介している。そして一番楽しい特集の華族1000家全一覧だ、思い立った時にパッと調べられるのでありがたい。
そういえば私は昔からこういう“何とか一覧”とか“大事典”とかの類が好きで、子供の頃に初めて買った事典は世界の歴史人名事典だったし、別冊歴史読本関係では「幕末維新最後の藩主285人」とか「徳川将軍家血族総覧」などのタイトルを見るとついつい購入してしまったっけな。

2007年1月25日

記録

中々更新する余裕が無かったので間隔が空いてしまったけど、ネタ無しなのでせめて先週鑑賞した映画と読んだ本を記録しとく。

(書籍)
木全 賢著「デザインにひそむ<美しさ>の法則」 ソフトバンク新書
鈴木 隆著「匂いのエロティシズム」 集英社新書

もちろん2冊とも初読。

(映画)
ジャン=リュック・ゴダール「アルファヴィル」
黒澤明「悪い奴ほどよく眠る」
黒澤明「赤ひげ」

「アルファヴィル」は初鑑賞。いつも不可解な印象のゴダールによるSF映画。ストーリー性よりも視覚的にメッセージを発する手法を好む彼特有の"ぶっきらぼう"とも思える編集にいつも困惑させられるが癖になる。テイスト的には昔、渋谷の映画館で観たエンキ・ビラルの「ティコムーン」がフラッシュバック。...本末転倒?
黒澤明の2作品は何回目かの鑑賞。どちらも身震いするほど素晴らしい作品。


2007年1月13日

田草川 弘著『黒澤明VSハリウッド』

黒澤明VSハリウッド
1970年公開の映画で「トラ・トラ・トラ!」という映画がある。この映画は真珠湾攻撃を日米双方から描いた作品で、日本側パートを黒澤明が監督するハズだった(B班監督は佐藤純彌)のだが、企画段階から製作の20世紀フォックスと黒澤明の度重なるトラブルと、撮影中の奇行、現場スタッフとの不和により、クランク・インから10日あまりで黒澤明は突然の監督解任となってしまう。映画は結局、後任に舛田利雄とB班監督に深作欽二を起用し完成。フォックス側は解任理由に「黒澤明の病気により撮影続行不可能と判断」と降板理由を発表したが、黒澤サイドは「事実無根」と意見が真っ向から対立し、この問題は黒澤プロダクションの内部対立にまで発展してしまった。
この本は映画の企画から黒澤明監督起用の経緯から黒澤明が降板に至るまでの真実を、当時の関係者の証言と黒澤明の発言、フォックスに今も保管されている膨大なメモや契約書を詳細に取材して当時の日本映画界とハリウッドの映画製作システムの違いや契約の誤認などについて書かれている。他にも黒澤が練っていたアイデアや数シーンのシナリオが披露してあり、「予定通り黒澤が撮り終えていれば...」と思わずにはいられない。(公開された「トラ・トラ・トラ!」ではこの黒澤のアイデアは殆どスポイルされてしまっている)中々読み応えのあるノン・フィクション本なので、興味のある方は是非。