「ジェネラル・ルージュの凱旋」を観てみたがとても酷い映画だった。
原作にどれだけ忠実なのか知らないので一概に映画だけをあげつらう事は出来ないが、それにしても撮影もテレビドラマ同様な説明的で大げさなショットと移動撮影、教科書通りの役者の順アップの連続で極めてリズムが悪い編集。
竹内結子演じる主人公は愚鈍だけど素朴さだけが取り柄!?みたいなバカ女医師で、終始、存在理由が見出せないが劇中主役で居続けられるという強運な役柄。ラスト近くの爆発事故で救命救急で運ばれてくる大勢の負傷者と手当する医療関係者が大荒わなのに報道ヘリは飛んで救命ヘリは何故とばないのかと上を見て嘆くしか能がないので、役柄と分かっていても演じている竹内結子も本当にバカの子なんじゃないかと思えてくるから損な役だ。(まぁ、賢そうではないけど。)
竹内結子に限らず、阿部寛、尾美としのり、高嶋政伸、平泉成、堺雅人、山本太郎等々、演じる役柄の人物造形もまったく薄っぺらいステレオタイプばかりで、これはもう監督の才能の無さが全ての原因としか言いようが無い。
後半のヤマ場となるべき堺雅人演じる、通称"ジェネラル・ルージュ"は倫理委員会とかいう委員会でつるし上げを受け、弾劾裁判状態になるのだが、そんなジェネラル・ルージュを擁護をする羽田美智子演じる婦長はジェネラルルージュの医療従事者としての使命感に共鳴している同志的絆で結ばれているのかと思いきや、フタを開ければ単なる恋愛的感情が絡んだ女の情欲が根底にあるし、そのジェネラルルージュの方も婦長に対するマザコン的偏愛を婦長に求めていたという陳腐なラブストーリーとして完結してしまう。
そもそもタイトルからして気になっていたのだが、なんで医者という命を救う職業なのに職業として人を殺す役割を担う階級である'"将軍"(ジェネラル)ってあだ名が付くワケ?軍医って設定ならいざしらず...単に音の響きが格好良かったから。という薄っぺらいアイデアを用いただけの事なんだろうけどね。普通、悪意でだろうと好意でだろうと身近な人間にそんな横文字の"響き"がカッコイイ、あだ名なんて付けるかね?そのタイトル決めから破綻しているので脚本(脚色)なんてまともな出来じゃないし、これを決定稿とした製作委員会も無能な連中の集まりで製作委員会方式の構造的欠陥がそのまま画面に反映されたという典型的な作品。
まぁ、「まともな神経じゃ観てられないよ、こんな学芸会」ってシロモノ、久しぶりに凄い映画に出会ってしまった。