2008年04月12日

映画『叛乱』

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前々から観たいと思っていた映画『叛乱』を鑑賞した。

この作品は佐分利信が監督で数ある2.26事変を題材とした作品の中でも傑作の部類。 ただ、佐分利信が監督したと言っても撮影中、病で倒れ監督降板となってしまい作品全体の4分の1しか撮っていない。残りは阿部豊が応援監督として撮り上げたので事実上は阿部豊監督作品と言ってしまった方がシックリくるかも。それでもクレジットではあくまでも佐分利信監督作品となっているのは、中抜き無しの順撮り主義の佐分利テイストを阿部が違和感なく引き継いでいるからなのだろう…そういう意味ではこの作品はやはり立派な佐分利作品といえるのかも。 

決起した若手将校達の想いは真っ直ぐで純粋。当時の腐敗堕落した政府重鎮を嘆き、これを正し貧困に喘ぐ農村の民を救うには我々が立つしかないと信じる。しかし、彼らはあまりにウブでナイーブ。場当り的で無計画に過ぎ、あげくには「天照大神の御心のままに」と神頼みの出たとこ勝負に自分達の命運を賭けてしまう。もう殆んど三流の博徒並みの下手打ちだ。勝負する前から勝負はついてる。そんな彼等の純粋で崇高な主張も彼等自身の人格的未熟さから信頼していた上官からも裏切られ、味方になってくれると信じた国民にも受け入れられず、陸軍の権力闘争に利用される始末。そしてダメ押しは天皇に叛く逆賊の徒の烙印を捺されてしまう。

そんな若手青年将校を中心に描きながらも決して彼等の皇道に同情的にも批判的でもなく、淡々と見つめている佐分利の眼差しはなかなか渋い。監督としても評価が高かったようだが…納得。

この作品で一つだけ残念なのは監督の佐分利信が降板するまで西田税役で出演も兼ねていたのが幻の出演になってしまったことだ。 観てみたかったな、佐分利の西田税。

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