2008年01月25日
まんまるお月様と「晩春」

帰り掛けに見かけたお月様。久しぶりに見事な橙色だ、ちょっと怖いくらい輝いている…
最近、溝口健二の凄さを再認識してからすっかり溝口ワールドにドップリと浸かっている状態が続いているのだが、そんな中、「もう一度ちゃんと日本映画の名作を見直したりして映画を勉強し直そう」などと自分に言い訳しながらちょこちょこ鑑賞している。
この前は映像学時代以来となる小津安二郎の「晩春」を鑑賞。この作品は鑑賞当時、あのセクシャルな親子関係が受け付けなくてどちらかというと不快な作品という位置付けだったのだが、十数年経って改めて観ると不思議とその近親相姦的なある種のタブーを連想させる小津の考えというものが、なんとなく意図として理解出来た様な気がしてとっても好きな作品になった。単に家族内の出来事を描いているだけではなく、人間の本質的なエゴを冷徹に眺め描いている。その意味で小津のするどい批判精神が素晴らしく発揮されてる作品で今更ながら名作であることに感動。やはり映画はストーリー運びなどに振り回されるものではなく1カット1カットを大切に観るものなのだ。
この「晩春」に長い間付いて回る近親相姦議論についても“壷”カットに関しての問題でも、今だ小津研究家の間では明確な結論は出ていないようだけど、個人的にはタブーに触れるという無意識下の意識として小津監督の中にはあったと思う。
素晴らしい映画だ。
- by Phantom
- at 01:25
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