2007年11月18日
『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』

今年はイザベル・ユペールの作品展があったり、ブレッソンのお台場や国立での写真展、メディアでの盛り上げなどで、いつになくブレッソン熱が高まっていた年だった思う。
ブレッソンは好きな写真家だけど尊敬しているのはキャパ。「ブレッソンを好き」なんて口にするのはナイーブな私には正直赤面モノのだが(好き嫌いで論じるレベルの写真家じゃないので)それでも他に表現する言葉が見つからないので陳腐この上ないが、やはり“好き”と言ってしまう。一昔前に“リドリー・スコット好き”と、のたまうのが流行ったのと同じだ。私も久しく言うのを躊躇っていたが、当のリドリーが落ちぶれてきたので(リドリー・スコットは今でも大活躍なのだが、映像作家としてのピークは越えたという意)天邪鬼な性格上、今は声を大に言っている。
ドキュメンタリー映画である『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』ではブレッソン本人、イザベル・ユペールやアーサー・ミラー等々、ブレッソンと親交のあった人物によるインタビューなどでブレッソンの足跡を辿っているが、ブレッソンの捉える決定的瞬間というものがどのように切り取られるのか大変興味深く語られている。ブレッソンが故人となった今となってはブレッソンという写真家を知る上で肉声はとても貴重なものだ。
キャパはあくまで被写体そのものに関心があったのに比べてブレッソンの関心はあくまでファインダーから見える範囲に限定されている。もっと言えばファインダーと被写体の調和が全てなのだ。この『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』でその事がちゃんと語られているのでこの作品を観ればブレッソンをちゃんと理解する事が出来るし、これまで以上に彼と彼の写真が好きになる事間違いなしだ。
来月からはいよいよ『マグナム・フォト 世界を変える写真家たち』が公開されるし。
- by Phantom
- at 11:27
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